はじめに
みなさんは、7 days to dieというゲームを知っているだろうか
私がこのゲームを知ったのは約10年前。当時ニコニコ動画で流行っていたボイスロイド実況の動画だった。
初期のボイスロイド実況はマインクラフト動画が主流で、その影響からかマイクラに似た要素のある本作も同界隈で流行することになる
たくさん見すぎてもうどれを最初に見たのかもわからない。「いつかやってみたい」そう思ってはいたものの月日は流れ、いつの間にか忘れてしまっていた
しかしこの夏、7 days to dieの正式サービスが始まった。2013年12月13日にアーリーアクセスが開始されてから、実に10年以上たってのことである
あの時最先端を感じさせてくれた本作は、正式サービスを経てどのような姿になったのだろう。未だに色褪せない何かは、あるのだろうか? 遊んで確かめていこうと思う
2024年のゲームとして通用する内容なのか?
7 days to dieはゾンビサバイバルゲームである。
プレイヤーはゾンビがあふれる荒廃した世界を探索し、食料や武器など様々な物資を集める。
7日に一度起こるゾンビの大量発生に備え、基地を建設する。果たして8日目の朝を迎えることはできるのだろうか
7日目の大規模襲撃の生存と
最高難易度といわれるティアVIクエストのクリアを目標に進めていく!
基本情報
タイトル | 7days to die |
メタスコア | 35(XBOX ONE) |
steamのレビュー | 非常に好評 |
開発元 | The Fun Pimps |
パブリッシャー | The Fun Pimps Entertainment LLC |
対応ハード プラットフォーム | Linux, Microsoft Windows, OS X,PlayStation 4,Xbox One |
メタスコアが不安を掻き立てる
総合評価:
クラフティング | |
シナリオ | |
世界観 | |
キャラクター | |
グラフィック | |
音楽 |
特徴
アイテムクラフト
採取アイテム、武器、回復、建築などほとんどのアイテムは、素材を集めてクラフトすることで獲得できる
クラフト可能なアイテムは雑誌を読み、スキルレベルを上げることで増えていく
建築
マイクラみたいな建築ができる
ただしブロックは重力の影響を受けるので、支えがなくなると建造物が崩落することがある
採集
木や岩などを石斧で殴ることで、木材や小石といった素材を獲得できる
土を掘るにはシャベルを使うと早い。
動物の死体を解体するにはナイフを使うと手に入る素材が多い、
など特定の物体を効率的に解体できるアイテムが存在する
ブラッドムーンホード
7日おきに夜発生するゾンビの大規模襲撃
これを生き抜く、というのがこのゲームの大きな目標になる
そのために7日かけて物資を蓄え、武器を整え、トラップなどを設置して拠点を築いていく
ちなみに一度死亡すると湧いたゾンビは消滅するため、リスキルされる心配はない。
が、一度死んでしまったら負けとして扱われるということでもある
斥候ホード
銃声などの大きな音を何度も出すとゾンビの群れが集まってくる
銃声を鳴らすことを気にして無理に近接武器を使い、死んでしまうことが多々あった
結局気にせず撃ちまくるのがいい
クエスト
難易度はティアI~VIまである
最初はティアIしか受けられない
ティアIクエストを一定回数(9回)するとティアIIクエストがアンロックされる、という形でより高難易度のクエストが受けられるようになる
最高難易度のティアVIはか~なり難しいらしい
内容は、特定の建物にいる敵のせん滅、物資の回収、発電機の起動など
どんな任務でもやることは突入してゾンビと戦いまくるというもの。やってみるとどれも似たようなものです。
移動ペナルティ
持てるアイテムは最大9X5=45個
しかしデフォルトでは27個以上のものを持つと移動速度が低下するペナルティが発生する
ペナルティなしで持てる個数は衣服の改造パーツやスキルによって増やせる
評価点
日本語化済み
本作は日本語で遊ぶことができる。今ではインディーゲームでも日本語アリは珍しくないが、10年前は日本語がないゲームも多かった。長期アップデートの賜物といえるだろう
一部の物資が「低賃金ボックス」と呼ばれていたり、変なところはあるが、ゲームプレイの進行には全く問題ない
トレーダーにはson of a bitchとか言いまくるやつもいるが、そういう人でも全部ですます調なので違和感があるが
大規模襲撃を生き残る達成感
最初の7日目は適当な家を拠点にして籠っていたが、ゾンビに壁を破られて死んでしまった
14日目の大規模襲撃も同じ拠点に籠り、今度は生き残れた
21日目以降はネットで「迎撃拠点」と調べて出てきた拠点を真似た
毎週増築して、最終的には電撃トラップやセンサー砲台を備えたスナイパータワーになった
無策で7日目を迎えると生存は困難だが、準備さえうまく整えれば難易度がグッと下がるのはよくできてる
賛否両論点
情報が古くなっている場合がある
10年間のアーリーアクセスの間になんどもアップデートを重ねたのだろうが、ネット上の情報が、現在のゲーム体験と一致しない
小さなところでいうと、wikiにはティア1のクエスト7回クリアでティア2がアンロックとあるが、実際はティア1を9回クリアしないといけない
10年前に見た実況動画だと開始1分でクロスボウを作成してたが、現状の序盤では石槍やこん棒で戦うことになる。あのころの7 days to dieはもうないのだ。
まあ、長期間のアップデートを経て、ゲーム体験は進化を続けている、ということだろう
難易度が高い
高ティアのクエストなどは数十体のゾンビが出現し、一体ずつ戦っていては、成すすべもなく圧殺される
画像はティア6クエストの最深部
本作には
- リロード、回復アイテム使用中は移動速度低下
- 回復はリジェネタイプで回復しきるのに時間がかかる
- 走るゾンビの移動速度はプレイヤーのダッシュより早い
という仕様がある。つまりは…
- 銃の弾を撃ち切ったら、リロードが発生し移動速度低下してゾンビ集団に殴られる。
- 回復を使おうとしてもゾンビに殴られる。おまけに回復を使ってもすぐに全快はしない。
- そもそも全速力で逃げてもゾンビに追いつかれる
鬼のような仕様だ…!
おまけにこの刑務所マップは最深部へは屋上の穴から飛び降りて侵入する形になるので、入ったら、元来た道からは戻れない
武器、防具の性能を上げる、レベルアップで自身のステータスを強化するなど、正攻法での攻略は困難を極める
場合によっては突然床が崩れて、ゾンビが大量発生している部屋に落とされることもある。こうなると、元来た道は戻れず、出口を探すのも困難となる
では、どうやって攻略するかというと
- とにかく退路を確保する。場合によってはブロックやはしごを設置して逃げやすくする
- ウッドスパイクを設置して待ち伏せする
- ドアを閉めて耐久。ドアに穴が開いたらそこから狙撃する。
とにかく建築要素をフル活用する、ということが重要になってくる。
本作を単なるゾンビ戦闘FPSだと思って買うと「思ってたのと違った」となるかもしれない
状態異常の数が多い
主に罹患する状態異常とその効果
- 擦り傷:HPの最大値低下
- 深い裂傷:流血状態になりやすくなる。HPの最大値低下
- 流血:毎秒ダメージ
- 脳震盪:すべての特性-1。定期的に画面がぼやける。HP最大値低下
- 炎上:毎秒ダメージ。水を飲むと鎮火
- 腕部捻挫:取り回し、リロード、攻撃速度低下
- 腕部骨折:取り回し、リロード、攻撃速度低下(捻挫より下がり幅が大きい)
- 脚部捻挫:機動性、ジャンプ力、HP最大値低下
- 脚部骨折:機動性、ジャンプ力、HP最大値低下(捻挫より下がり幅が大きい)
- 疲労:被ダメージ上昇、HP最大値低下
- 瀕死トラウマ:レベルアップに必要な経験値を25%失う。経験値を獲得しなおして解除
一番ヤバイのが脚部骨折で、機動性50%低下 & 治療しないとリアルで2時間くらい治らない & ダッシュとジャンプを行うと完治までの時間が伸びる。
ただでさえ移動速度が低いこのゲームで、機動性が50%下がるのは致命的。移動が徒歩頼りな序盤に、落下などで足を折ってしまうと戦闘も探索も壊滅してしまう
これらの状態異常を治すアイテムの種類が多いというのも、アイテム欄を圧迫して問題になる。炎上は飲料、脳震盪は鎮痛剤、骨折はギプスか添え木、疲労はビタミン剤など。
問題点
移動に時間がかかる
ファストトラベルがなく、クエストの発生地点など、毎回自力で移動しなければならない
特に序盤は徒歩確定。
登れないような高低差のあるマップがあったり、一部のバイオームでは地面に落ちている鉄骨に当たると、乗り物がダメージを受ける。そのため、直線コースを取れる場面は少なく、道を進まなければならない。表示された距離よりも、実際には長い距離を移動することになる
導線が分かりにくい
クエストなどで探索する家屋や施設は「ドアの破壊をしなくてもゴールまで一本道で進める」ようになっている(らしい)
が、その正解ルートがわかりづらく、寸断された橋を渡る、一見壁に倒れ掛かっているだけの丸太の上を歩く、ビルの”外”にある小さなでっぱりを通るなど
分かるかぁ~! こんなの!
その結果、物資回収でマーカーで示された物資の場所までの行き方がわからない、ゾンビ一掃クエストの最終地点がどこかわからないという状況が頻発した
よそ様の動画だと、空中に張られた電線の上を通るという正規ルートもあるようだ
一応、木の扉なら石斧で簡単に破壊できるので、無理やりショートカットするという手もあるが、一掃クエストだと決められたルートを通らないとターゲットのゾンビに出会えずクエストが終わらないという状況になってしまう
一部の素材の入手性が悪い
端切れ
ダクトテープ、包帯に使用する
ダクトテープは修理素材やツールの作成などあらゆる用途に使う。包帯とアロエクリームと組み合わせた「救急包帯」はもっとも多用する回復アイテムだ
端切れは、回復とクラフト両方で頻繁に使うアイテムということである
詳しくなかった序盤中盤は、植物繊維を使って端切れを作っていた。これは包帯を一つ作るために、その辺に生えている草を200個分刈らないといけない、と非常に効率が悪い。
ゲームで草むしりかよ
ちなみにもっと効率良く端切れを作れる「綿花」と救急包帯のもう一つの材料「アロエ」も野外に自生している。
最後まで草むしりは続くのだ…
アイテムの種類に対して、バッグの容量が少なすぎる
このゲームは素材の種類が非常に多い
倒した野生動物を解体したり、車などのオブジェクトを解体すると、多くの種類のアイテムが手に入る
クマを解体した場合は
- 動物性油脂
- 皮
- 骨
- 肉
- テストステロン抽出物
車を解体した場合は
- 鉄
- ヘッドライト
- 鉄パイプ
- パネ
- 機械部品
- 電気部品
- などなど
これらはすべて違うアイテムとしてインベントリに入る。容量を圧迫しないわけがない
デフォルトの容量27個でも少ないが、ペナルティを最大まで許容した45個でも少なすぎる
探索に必要なアイテムを持っていくだけでも、
回復2スタック、食料で水分2スタック、近接武器1、遠距離武器2、弾薬2、石斧 つるはし シャベル、ナイフ、木材1
これで14個も枠を使ってしまう
高難易度クエストの報酬はカギがかかっているので、ロックピックもいずれ必須になる
木材が必要なのは前述のとおり、高難易度クエストでは梯子やブロック、ウッドスパイクを使用するため
さらには食料や飲料の種類も多い。
食料は焼肉からベーコンエッグ、ベイクドポテト、カボチャパイなど
飲料は泥水、水、菊茶、コーヒー、ユッカジュースなどなど
飲食物の種類が多いというのは、様々なものを作って食べられる楽しみがあるように思える。
が、違うのはアイコンと効果だけで、手に持つと食料ならどれも茶色い包み、飲料なら瓶に入った透明の液体のグラフィックになるので味気ない
例えば缶詰だけでも、大型牛肉レーション、鶏肉レーション、ラムレーション、キャットフード、ドッグフードと無駄に種類が多い
キャットフードとドッグフードが両方あるのは製作者のこだわりなの…?
手当たり次第にモノや倒した敵を解体していくとあっという間にインベントリが満杯になってしまう
前述の移動速度が遅いというのが、この容量問題に拍車をかけている
拠点とクエストや探索で訪れる場所は何度も往復してアイテムを回収するには遠い場合が多く、時間がかかる
容量超過ペナルティで移動速度が低下するので、さらに移動性が悪くなってしまう
アイテムの種類によっては、1スタックにまとめられる数が少ない物もある
もっともメジャーな回復アイテムになるであろう「救急包帯」は1スタックに5個しか貯められない
これは少なすぎる
救急包帯の回復量はデフォルトではたったの30。HPは初期値でも100、レベルアップとともに成長していくため、5つなどあっという間に使い切ってしまう
さらにデュークのカジノトークン(お金)も1スタックに収まるのは2万枚まで。終盤にはすぐにあふれてしまう。
資源の採取に時間がかかる
植林で育つ木はライフ1200まで成長するが、これを切り倒すには鉄鋼の斧で12回切りつける必要がある。一般的なFPSで近接武器をふるうのと比べても斧を振るのがゆっくりで、途中でスタミナが切れて手が止まるので思ったより時間がかかる
ライフ1200の木を切って採取できる木材は150。高難易度クエストの準備としてウッドスパイクを量産するだけでも1000個は必要になる(木材20個でウッドスパイク10個)伐採はかなり時間がかかる
チェーンソーなどもっといいアイテムもあるらしいが、80時間以上やってアンロックできてないしなぁ
成長が遅い
スキル雑誌を読むことでクラフトできるアイテムが増え、クオリティも上がっていく
のだが、これの成長が非常に遅い
スキルの種類は全24種でレベルマックスは75~100なのだが、
スキル本1冊につきスキルレベルは1しか上がらない。
要は同じ種類の雑誌を100冊見つけないといけない(店で買うこともできる)ということである。
オタク帽子をかぶるとスキルポイントを確率で2倍にできるが、それでも相当数の雑誌を見つけなけらばならない
本作には、「スキルを振ると対応したクラフト本が出やすくなる」という仕様があるらしい。
ただし乱雑にスキルを振りすぎると出やすくなる枠を、様々なクラフト本が取り合ってしまうということが起こるようだ
睡眠、待機など時間を飛ばす手段がない
序盤の夜の戦闘や高難易度クエストの遂行には、昼と夜では難しさに天と地ほどの差がある。夜間はすべてのゾンビが走るようになるためである。
戦略的に考えれば、一部の強力なゾンビしか走らなくなる昼に活動するのが有利だが、夜の時間を飛ばす手段がない
何もせずに15分(時間設定がデフォルト)待つか、待つのが面倒になって、夜中に強硬戦闘するかの二択になる
高難易度クエスト遂行中に、不意に夜を迎えて難易度が上がることを防ぐため、あえて早朝の4:00を待ってクエストを始めるというテクニックもあるが…
時間飛ばしは欲しかった。
ストーリーがない
本作にストーリーはない
クエストはあるが、単なるお使い以上のものではない
クリアしてもテンプレな感謝の言葉をかけられるだけである
ちなみにティアVIクエストを受けるには、この使いまわしお使いを、最短でも45回クリアする必要がある
まあクラフティング重視のマルチゲーなので、もとからそういうゲームと言われればそれまでだが
感想
まだ世界が広がりそうな気はする。
木を切る道具はいまだ鋼鉄斧だが、チェーンソーまであるっぽいし。乗り物はいまだにミニバイクだが、ヘリコプターがあるらしい。
けどもう疲れました…
何事にも時間がかかる過ぎる。移動はミニバイクでだいぶ楽になったけどめんどいし。
多分クラフティングが最大の魅力なんだけど、木を切るのも鉄を掘るのも時間がかかりすぎる。
数秒で木や石を破壊できるマイクラの主人公は超人だった…!
個人的にクラフト要素はあんまり乗り気になれないんだよなぁ「あれをつくりたい!」ってビジョンが浮かんでこない。
育成について
スキルは序盤は知覚に特化したビルドで、あとから知能と耐久も上げていきました。
メイン武器はライフルと槍だった。
後から考えれば、乗り物系はもっと早くとっても良かったかも。栽培のスキルを全然とってなかったから、作物の種が全然取れず。
まとめ
全体的な価値観が10年前で止まっているようなゲームだった。戦闘は難しく、厳しいストレージ管理、など難易度が高い。これらの要素は工夫次第で突破でき、達成感を感じさせるデザインになっている。
食料の種類や、状態異常の種類がやたら多かったりする反面、レベルが上がってもやることといえば資源集めや、お使いクエストをこなしたり根本的な部分ではあまり変わらない。なんか無駄にボリュームだけ膨れ上がったようなゲームだった。
でも見様見真似で迎撃拠点を作って生き残れたのは、クラフティングゲームに対する苦手意識が少し減った気がして良かった。
ティアVIクエストのクリアという目標も、ティアIIIですら苦戦してた時はどうしようかと思ったが、準備を整えれば意外と行けた、というのは達成感があった。
10年前の本作の追体験をしたかったというのが、本作を遊んだ理由の本音だが、全く同じではなかったし、不便になっている気がするというのが率直な感想だな
おまけ
今回からAI生成のオリジナルキャラを採用してフキダシ感想を入れてみました
わかりやすくなってるといいな
それでは、最後まで読んでくれてありがとう!
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